2021年3月18日 note

2020年の正月映画だった「唐人街探案3」は、1年間お蔵入りの後、結局2021年2月12日に公開された。シリーズをさかのぼると、1作目が2015年12月公開で舞台はバンコク。興収は8.2億元。2作目は2018年2月の正月映画。こちらはニューヨーク編で、興収は一気に34億元近くに跳ね上がった。
で、この「3」は、公開2週間(2月26日)で42億元を超えているから、ざっと680億円のメガヒットとなってる。まぁドタバタした笑い、東京名所巡り、アクション、謎解き、親子泣かせなど、これでもかという「大衆の喜ぶ」=ベタな見せ場が詰まっているわけで、中国でも人気の日本人俳優たちが真顔でやるんだから、まぁ素晴らしいのなんの。出来の良し悪しは、もはやあまり関係がない大メジャーです。
監督は3作とも陈思诚。主演は王宝强と刘昊然の迷コンビだ。王宝强はコメディで人気だが、僕は「カンフージャングル」での凶悪殺人鬼の印象が強い。あの顔が忘れられないので、一昨年「新喜劇之王」を観たときに、目が笑ってないのが怖かったくらい。
今回はこの二人がある密室殺人事件解決のため、東京に呼ばれるところから始まる。容疑者は三浦友和扮するヤクザの親分。被害者は対立組織のボスだったので、三浦友和は逮捕され、裁判待ちの状況だ。難解な事件の謎を解くにつれて、別の要素が浮かび上がり…という典型的な展開なのだが、まぁ捜査や司法のルールもなく、観光地でのスラップスティックな追っかけっこが延々続くだけだ。この一本調子な流れでいいのか?…って、いいんです。サービス満点の娯楽映画はこうやって作られるのだ。1作目は喜劇色が強く、2作目は名探偵対決の様相で、次第に方向性が固まってきた。今回は前作共演陣もかぶせてきてる。
2019年に撮影されたと思しき東京は、セットとロケの混載で描かれる摩訶不思議な街として作られていた。成田空港(嘘)、渋谷交差点(大嘘)、新宿歌舞伎町(本当)、秋葉原(一部本当)、浅草(たぶん本当)に加え、謎の町並が次々と出てくる。渋谷スクランブルは例の足利のオープンセットなのだが、最初合成だと気づかず「いくらなんでもその撮影はむりやろ!」と疑ってしまったよ。何年映画を観続けてるんだかw。エンドロールでグリーンバックが写り込むのは笑ってしまった。僕の知らない東京は、アホな描かれ方をしていたのだけれど、それはそれでSFぽくもあって面白かったね。
日本人客にとっては、やはり自国の俳優出演が気になるところ。妻夫木聡、三浦友和、長澤まさみ、浅野忠信、鈴木保奈美、奥田暎二、六平直政、染谷将太、長井短とまぁ豪華。保奈美登場時は中国でも人気だったあのドラマの曲っぽいイントロが流れる。ついでにトニー・ジャーも出てくるの。これはうれしい。
劇中の言語は中国語、日本語、タイ語で、中文と英語字幕が表示。しかも万能なイヤホン型翻訳機が手渡されるので、各国人が自国の言語でしゃべってるだけで、会話が通じるという合理的な作り。「1941」みたいじゃん。
他に書き留めておくことは、使用楽曲。ジョー山中「人間の証明のテーマ」、マイケル・ジャクソン「ヒール・ザ・ワールド」が、そのまんま流れたりします。
19年末には日本公開の話も聞いてたんだけど、結局どうなったんでしょうかね。「僕はチャイナタウンの名探偵」って邦題で決まりなのか?w
素っ頓狂な東京観は、正直賛否になるとは思いますが、コロナ禍でのハッピーな超大作ってことで、楽しんでもらってもいいんじゃないか。
あ、すでにあと2本続編がアナウンスされてる。











