Coming 2 America(星の王子ニューヨークへ行く2)の作り方に驚く。

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2021年3月18日 note

わざわざ登場人物に「アメリカ映画はリメイクや誰も求めていない続編ばっかり」と自虐的なセリフを言わせるくらいだから、もうはなっからお見通し。
Amazonプライムお買い上げの「星の王子ニューヨークへ行く2」がほかほかの配信公開となりました。原題が「Coming to America」→「Coming 2 America」としゃれてるんだけど、もうこれだけでもどこかセンスがずれてるようだ。2 Fast 2 Furiousかよ。
前作「星の王子ニューヨークへ行く」は、1988年のパラマウント映画で、監督は我らがジョン・ランディス。ランディスは70~80年代アメリカコメディのスター監督で、エディ・マーフィとは「大逆転」でヒットを飛ばした。今回もリンクがあってうれしかったな。「星の王子」はエディ全盛期のサマームービーで、どんな内容でも彼が出ていれば大ヒットしていた頃だ。この翌年、監督作「ハーレム・ナイト」がずっこけてスランプに陥るのはご存じの通り。というわけで、ある意味頂点を極めたともいえる「星の王子」は、アフリカ小国の王子が、ニューヨークで嫁探しをする話だった。「ローマの休日」のお下劣版みたいな。田舎の大金持ちが都会で体験するギャップを笑いにするのだが、満載の下ネタやリック・ベイカーによる超絶特殊メイクで気軽に笑える内容だった。ナイル・ロジャースのサウンドもかっこよかったよね。映画は当然大ヒット、北米で1億2000万ドル超え(レインマン、ロジャーラビットに次ぐその年のランキング第3位)で、日本でも配収12億円ってんだからたいしたものだった。
でも、こういう流行物はそのときの旬でしょう。よほどのエディやランディスファンじゃない限り、30年も経てば「ああ、あったよね」くらいの記憶でしょうが。
だから、この映画の続編が作られるなんて、誰が予想しただろうか。
確かに企画してる話題はあったけど、楽しみなわけないだろう。ハリウッドのネタ切れを象徴してますね。
それでも制作され世に放たれた「2」は、エディ扮する王子に婚外子がいたってことで、王位継承をめぐる大騒動が起きる話だった。うわー、つまんなそうw。
ところが、だ。予想をいい意味で裏切られてしまう。なんと、ほとんどのキャストが同じ役で再登場するのだ。しかも30年経ってるから、もうあきれるくらいジジババ。映画の中で1988年と2021年がつながってしまうタイムスリップ感覚が味わえる。
エディ59歳(ってことは前作で26歳だったんだ!)、アーセニオ・ホール65歳、シャーリー・へドリー(王子の妻)56歳、ジョン・エイモス81歳、そして極めつけがジェームズ・アール・ジョーンズ91歳! バーガー屋の店員や王家の執事に至るまで、みんな同じ人が出てくる。もはや映画というか同窓会。皆が宴会のシーンでそろうんだから、絶対パーティやってるでしょw。
王妃役は亡くなっていたりするけど、代役を立てたりしない。単純にお亡くなりになったという設定。「同じ人が出る」のが前提なんだね。これって、なかなかの突破力ですよ。
新規キャストとして、レスリー・ジョーンズ、ジャーメイン・ファウラー、キキ・レイン(オールドガードの子)など。さらにウェズリー・スナイプスがキャリアを気にしないおバカっちな役で登場。加えて本人役でモーガン・フリーマンやグラディス・ナイト、ジョン・レジェンド、Salt-N-Pepaなど、なんだかアニバーサリー特番みたいな感じだった。
とりたててメッセージ性は押し出してこないが、こういう映画が存在するだけで既にブラックパワーの凄さがあるし、お茶の間配信で十分元がとれそうだろう。観終わると、その他愛のなさもあって、なんか安心します。
「30年前に観たよねー、その続編なんだ」ということで再生してしまう人もいるだろう。
実際僕は観終わってから1作目を再生したよ。それでキャスティングや設定のつながりに心から驚いたんですわ。
監督は「ルディ・レイ・ムーア」でエディと組んだクレイグ・ブリュワー。ランディスの復活も期待したんだけどな。
あと、流行の若返りCGも。これがあると、もうなんでもできちゃうんだよな。

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