2021年3月26日 note

現役のミステリ作家としてはいちばん好きなジェフリー・ディーヴァー。毎年1~2冊が翻訳される中でも、楽しみなのがリンカーン・ライムシリーズだ。下半身不随の科学分析探偵と、その目となり足となる相棒アメリア・サックス。セリットーやプラスキー、メル・クーパーら捜査仲間たちとのチームプレイ。加えて主にニューヨークを舞台としたご当地感。ベストセラーの当たる要素が心地よく盛り込まれており、毎回期待を裏切らないデキだ。
もちろん映像化も放っておかないんだろうが、99年に「ボーン・コレクター」がソニーで映画になったきりだった。デンゼル・ワシントンと当時まだ若手のアンジェリーナ・ジョリーがビジュアルを印象付けてしまったよな。アンジーはこの年「17歳のカルテ」でアカデミー賞をとるくらいキラキラしていた。なので、アメリア役もフィックスしてたし、そこそこヒットもしたしで、続けて「ウォッチ・メイカー」あたりにいってくれ…なかったんだよね。
以降、話があったんだかなかったんだか。ジェフリー・ディーヴァーがSNSで「テレビ化されるよ!」と発信したのが二年くらい前だった。まぁ確かにこの設定は連続ドラマにしやすいので、なるほど、と期待しておりました。小説1冊分を4~5話のミニシリーズとかにしてくれたりすると、うれしいなぁと思っていたわけで。
ところがどっこい、蓋を開けてびっくり。WOWOWで放送された「リンカーン 殺人鬼ボーン・コレクターを追え!」(Lincoln Rhyme: Hunt for the Bone Collector)・1シーズン10話は、その名の通りライムとボーン・コレクターの対決が主となってるのだが…あっけにとられるほどの設定変更が多々ありました。
まず驚かされたのは、最初からボーン・コレクターが出てくること。ライムとの因縁が初回に描かれ、その後は(毎週)別の事件が忙しく、9話まで少しずつ引っ張ること。「別の事件」は1話完結するので、ここはまさに王道のテレビドラマだった。「この手がかりはボーン・コレクターに関係するかもしれません」「いや、先に(今週は)こっちの事件をやろう」ってな感じで優先順位を変えるのが笑っちゃう。
ダメじゃないけど、なんか違うぞ。1回45分で解決するには、捜査はサクサク展開することとなり、チームはほとんどミスなく真相に迫るんですね。「クリミナル・マインド」がシリーズ後期では、雑になってたのを思い出す。他にも家族の絡め方とか、ラストのアクションとか…いや、やっぱこれじゃないw。
面白かったのは捜査方法のハイテク化で、グリッド捜査よりもアメリアの体につけた高解像度カメラで映した現場を、ライムが3面の透過型ディスプレイで見ながら指示を出す。これで臨場感とスピードがあがった。
ライム役はラッセル・ホーンズビー、アメリアはアリエル・ケベル。この二人はほとんど知らん。唯一のおなじみさんはセリットーのマイケル・インペリオリ。そう、「ソプラノズ」のクリスだ。彼ももう55歳になるんね。ギャンドルフィーニが死んでからもう8年になるんか…。うーむ。
ラストで次回作のにおわせがありましたが、キャンセルですかね。ソニーテレビジョンさん。

