同じ話である「ラストレター」と「チィファへの手紙」を自分で撮る岩井俊二のチャレンジは好きだよ。

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2021年10月31日 note

少女漫画映画「ラストレター」とその中国版「チィファへの手紙」を続けて観る。
「少女漫画映画」とは悪口ではない。僕がこれまで岩井俊二を本当に面白いと思ったのは「Love Letter」と「スワロウテイル」だけで、特に前者は“あたかも少女漫画のような繊細さ”に心うたれていた。「リリイ・シュシュ」も少女漫画ぽいところはあるけど、最も嫌いな映画の一つになっちゃったので、以降は岩井映画を積極的に見なくなった。
今回の「ラストレター」は、「Love Letter」を想起させたことと、中国版も自ら現地に乗り込んで監督したことで、さすがに見なけりゃあかんな、と課していた。
で観終わって安心した。ああ、こういう岩井俊二の少女漫画っぽさが自分にとっては気持ちよかったんだな、と。ゲスト的にあの俳優を入れ込むところとか、結局「Love Letter」に戻ってくるんだ。虎舞竜が「ロード」を歌い続けているようなもんか。
手紙をめぐるこの哀しい嘘つき物語は、岩井俊二の書いた小説をもとにしている。作りこまれた設定にリアリティを感じないが、すれ違い、勘違い、嘘の交差する恋物語には胸をちょちょんとつつかれる。まぁさすがに主人公の行動は“薄気味悪い”ですけれど。
美少女広瀬すずと森七菜に元美少女松たか子。彼女らにじいさんばあさんやおっさんおばさんを絡めるアンサンブルが実に大人な仕上がりだ。

同じ話を中国に置き換えた「チィファの手紙」(你好,之华)はロケーションの勝ち。作り物っぽさを少なく感じさせる。
80年代大連の回想など、誰にも想像できないからかもしれん、と思ったり。それにしてもこの環境で撮り切ったのはすげーな。
ジョウ・シュンの存在感もすごかったが、ダン・アンシーとチャン・ツィフォン姉妹も輝く。さすが岩井の少女趣味。ツィフォンは「唐人街探案」でも印象的。
日本のクリエイターはこっちに来てがんばればいいのに。
中国国産映画、いろいろ見ていますが、まだまだ作れるものいっぱいあるよ。

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